えっちゃんの中国美大日記 第2回「彫塑中国展レポート その2」

えっちゃん4

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迫力の彫刻がズラリ!
彫塑中国展レポート (その2)

教えない技術もある

夢中で見ているうちにオープニングセレモニーが始まった。多分、予定時間の5時から相当遅れていたようだ。

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(画像)オープニングセレモニー

会場のステージの上にはお偉いさんがいっぱい! 私が知っているだけで、中国美術館の胡伟副館長、中央美術学院の潘公凯学長、徐冰副学長、車椅子に乗った李可染芸術基金会邹佩珠董事長,そして司会を勤める谭平副学長。レッドカーペットの両側にはまた もや赤いドレスを着たモデルたちが立っているし、多くの人が前で開幕式を一目見ようとしていた。私も写真をとるために1階に下りた。ところが写真を撮ろう としても最前列の人がまったく場所を空けようとしない。なんとか背伸びをして、腕を高く上げてシャッターを押すことができた。身長が高くて助かったと思うのはこんなときだ。最後に「彫塑中国」という大きな文字のオブジェが登場する序幕式で開会式は終了した。

そのあと私は胡伟先生、譚平先生、徐冰先生、邹佩珠先生に挨拶して、記念写真を撮らせてもらった。とてもラッキーだった!

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(画像)今展のキュレーターの殷双喜先生(左)と初期女性彫刻家の1人である李可染芸術基金会邹佩珠董事長(中)と筆者

唐先生とも写真をとったので、会場を出ようとしたら、もうひとつ別の展示室を発見。そこは見ていないと話すと唐先生が一緒に回ってくれた。そこに あったのは昔の写実彫刻で、以前インターネットで見た教授の代表作もあった。北京の伝統工芸である小麦粉、米泥(食べられないようなものだけど)で作った 小さな人間もあった。くるみの殻には入れるぐらいの小さな人間を作る、地方の伝統文化も紹介されていた。これは弟子入りすれば教えてもらえるのですか?と 唐先生に聞いたらこれは代々継ぐものだから家の人にしか教えないと言われた。

 

うれしい再会

この展示室も人が多いので唐先生が前を歩き、私が後ろを歩いていた。するとどこかで見たことある人物に遭遇。どこだ? 武漢美術館?

いや、湖北美術館で、冀少峰先生ではないし・・・・・・、館長の傅中望先生だ! 「傅中望先生ですか?」と話しかけてみると相手はそうですと言ったけれど、私が誰かよく認識していないみたい。そこで「私は日本からきた江上越です。以前、湖北美術館でお会いしました」といったら思い出してくれた。こんなふうに地方の有名芸術家もたくさん来場されていた。

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(画像)湖北美術館傅中望館長(右)と筆者

展示を見終わり、外に出ると唐先生が人を紹介してくれた。「どこの科に入りたいですか?」と聞かれたので、「造型学院(油彩画、彫刻、壁画、版 画)の新入生でまだ決まっていない」と答えたら、唐先生があわてて「この展覧会を見たら絶対に彫刻に入りたくなるでしょう」と、すかさずフォローしてくれ た。

高天雄教授でこの先生は造形基礎科のトップの人で、私もインターネットで顔を見たことがあったので写真を撮ってもらった。隣にいたのは吕晶昌教授で彼の作品「罗汉」があったなと思ったけど、話す機会がなく写真だけで終わってしまった。来場前に作家名と作品を覚えていたので、それをもっと活用すればよかったなと後悔した。

 

展覧会めぐり好発進!

有名芸術家の人たちをあんなにも真近で見たので、本当にうれしくてテンションアップ。帰りの車で助手席に座っていると、唐先生が「何でご両親は君を中国に留学させたの?」と聞いてきた。

私の答えは「私が自分で中国に来たかったからです」。「いつもオープニングにはこんなにも有名人がくるんですか?」と聞くと、北京は展覧会が多い けど、これは特に大きなイベントだからだよ」と話してくれた。つまり有名な彫刻家がこれほど一同に集まることはめったにないということ!

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(画像)中央美術学院造型学院基礎部主任高天雄教授(左)と筆者

今回は招待された人じゃないと入れないし、一般客が見れるのは何日かあとらしいので、今日見られたのは唐先生のおかげ。それを先生に素直に話した ら笑ってた。運転しながら唐先生はこっちには吉野家、マック、ケンタッキーもあるから、時間があればこの周りをよく歩いてなれたほうがよいし、北京にも慣 れたほうがよいと言った。

雨はだいぶ止んできたけれど、展覧会の刺激のせいでいつまでも興奮がさめなかった。

 

☆次回の配信をお楽しみに!

江上 越(Egami Etsu)
1994年千葉市生まれ。千葉県立千葉高校卒業後、2012年中国最難関の美術大学・中央美術学院の造型学院に入学。制作と研究の日々のかたわら、北京のアートスポットを散策する。ここでは北京のアート事情、美大での生活などをレポートしてもらう。