えっちゃんの中国美大日記 第12回「紅磚美術館開幕式『太平広記』―増える私立美術館」

えっちゃん5

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紅磚美術館とは……

紅磚美術館は中国の企業家夫妻が2012年12月に運営を始め、2014年5月に正式に対外公開した、まだ新しい美術館。美術館をデザインするときに、その土地固有の環境の特長を生かして、すべてを赤レンガで統一した、紅磚美術館(紅磚は中国語で赤レンガという意味)と名付けました。

なぜ「太平広記」?

「太平広記」というのは中国、宋の四大書物のひとつで、六朝の時代から宋の初期までの伝記、小説、後期の文学芸術の発展に貴重な素材を残したものです。これを展覧会のテーマにしたのには、10名のアーティストがそれぞれの作品が作る「運命と未来」、「征兆」、「現在と現実」など現在の私たちの世界への感覚があらわれていて、注目されるべき展示ということなのだとか。

とにかくデカイ!!

この美術館に足を踏み入れると、とにかく空間が大きい!なにせ8000㎡!車が何台入るんだろうという衝撃を覚えます。この美術館の正式な対外公開第一回展覧会のオープニングとあって、多くの関係者が来ていました。

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図1 美術館内の様子

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図2 開幕式にてキュレーター高志明の姿

インスタレーションはさまざまなものがあり、現在の問題に対するアイロニックな態度で作られた作品もありました。特に、引っ張ると彫刻が動いたり、見ている人も一緒に参加できるものが多くてとても楽しい。展示スペースもたっぷりあるので、とても贅沢な空間となっています。ただ少し作品が区分されてなくて、見ていて混乱してしまうのが残念。これからの展示に期待します。

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図3 多くのインスタレーションがある展示空間

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図4 展示の様子

中国ではこのような私立の美術館が続々建てられています。これも社会の発展と共に、文化へ、物質から精神へ、価値観、審美観に変化が生まれて、アートへの関心が増えているということの表れではないのでしょうか。

アートがもっと身近になる日も近づいてます。

江上 越(Egami Etsu)
1994年千葉市生まれ。千葉県立千葉高校卒業後、2012年中国最難関の美術大学・中央美術学院の造型学院に入学。制作と研究の日々のかたわら、北京のアートスポットを散策する。ここでは北京のアート事情、美大での生活などをレポートしてもらう。