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えっちゃんの中国美大日記 第44回「日中芸術文化交流の新しい形:東京新画派展」

えっちゃん5 dotline 日中芸術文化交流の新しい形:東京新画派展 東京新画派 日本にて制作を続ける在日中国系作家の「夢従東方来」東京新画派展が中国人民対外友好協会の主催で、10月19日に中国美術館にて開幕された。出品する作家は江屹、金醒石、里燕、宓冬莹、牛子华、沈和年、王子江、张弛、赵龙光など9名、作品は40点余り展示された。今展のキュレーターは王灏。 オープニングには華やか 開幕式に、中国人民対外友好協会秘書長李希奎、中国美術家協会秘書長徐里、中国美術家協会副主席何家英、中国美術館副館長胡偉、中国対外文化交流協会副会長張愛平、中国中日関係史学会副会長呂小慶、駐中国日本国大使館文化参賛石飛節、日中協会理事長白西紳一郎、日本女優中野良子、中友国際芸術交流院秘書長王合善、日本黄山美術社社長陳建中など多くの貴賓は出席し、式は盛大に行った。 展覧会の意義 “中国美術館で東京新画派展を開催するのは、新しい思索であり、中国の文化と海外の生活体験による芸術への再認識から生まれたもので、海外華人芸術家の国際視野の展現であり、世界に中国文化の魅力を見せてくれる”と李希奎の言葉で式の幕を開けた。 展覧会の初日、東京新画派展について学術討論会が開催され、中国美術家協会副主席何家英、中国美術館副館長胡偉、中国美協理論委員会副主任劉曦林、中国国家画院副院長張晓凌、「美術」雑誌社編集長尚輝など、中国美術界のそうそうたる面々は出席し、理論的に展覧会の意義を探求し、高く評価した。 中国国家画院副院長張晓凌は「『夢従東方来』というテーマは芸術家が中国伝統文化と国際的な前衛美術のある種の思考と終結を意味する。中国だけでなくアジアの古典芸術の済みや伝統的な中国画で使用される植物鉱物顔料の融合は新しい交流を生み出し、豊富な色彩を生み、人々に深い印象を与える」と話す。  東京新画派のアートディレクター王灏は、“近年の経済の迅速な発展は社会の大きな変化をもたらし、戸惑う人も多くいる。中国の芸術はどのように発展するのか。日本は文化保存に長けていて、東洋精神の真髄も伝承され続けている。実際20世紀において日本も明治維新後、文化はヨーロッパの現代主義の強い打撃を受け、例えば日本の画家梅原龍三郎、安井曾太郎からはセザンヌ、ゴーギャン、マティスの影響を感じられる。同時に岡倉天心、富岡鉄斎はとても伝統的な芸術家である。この伝統的な精神の保持は逆に20世紀東洋国家の境遇を体現している”と話す。  また雑誌「美術」のチーフエディターの尚辉は“文化の交錯は近20年多くの表現方法を生んだ。芸術では東洋西洋に学び、またある場所に止まって制作することには新しい意味がある”と話す。 交流過程の検証―異邦人という新しい視点  今回の出品した作家は、ほとんど前世紀80年代に来日して、異国で自分の芸術を追求してきた特色的な芸術家グループだ。彼らの独特な作品は特殊な生活体験から生まれ、日本の画壇にも中国の画壇にも属しない異色的な存在だ。これは今回の展覧会の注目されるポイントであろう。通常の日中芸術文化交流の形と異なって、数十年の年月を経て異文化との衝突、融合、昇華などは常に彼らの身体の中で行われ、沈殿されていく。その結果は作品として表し、今回の展覧会の形になったのだろう。つまり、異国の芸術をこの場で交流することよりはむしろ交流した結果、あるいは交流の過程をここで検証しようという形の展覧会ではないかと新鮮に感じる。  これからは、アジアの時代だと言われているが、近代の美術史において、アジア中の国々の交流は意外に薄く感じる。これからはそれぞれの形で芸術文化の交流は盛んに行うのだろうが、今まで国の主流に属しない異邦人の存在及び彼らが模索した足跡は何か先見的な意味を持つかも知れない。 展覧会は10月29日まで。
開幕式

開幕式

会場入り口

会場入り口

会場風景-1

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会場風景-2

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会場風景-3

会場風景-3

会場風景-4

会場風景-4

学術討論会にて発言する中国美術協会副主席何家英

学術討論会にて発言する中国美術協会副主席何家英

学術討論会後にての集合写真

学術討論会後にての集合写真

「夢従東方来」展 会期:2015年10月19日~10月29日 会場:中国美術館 北京市东城区五四大街一号


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