野嶋 革《陽はとけて》

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野嶋 革《陽はとけて》

商品名: 野嶋 革《陽はとけて》
商品番号: 18091001
販売価格:

\179,300

消費税: \16,300 内税
規格: 2011年 100×65cm アクアチント、メゾチント ed.10 額付

商品詳細
「HANGA」 NEXT GENERATION
第5回 野嶋 革

銅版が生み出す湿潤な光に包まれて
── 野口玲一


 野嶋革の描く情景は夢幻の雰囲気を湛えている。人里離れた深い森を彷徨った末に辿り着く開けた場所、まだ仄暗い早朝に蓮が花開く池水。深い闇とそこに射す強い光は、その場所がどれ程私たちの日常から隔たっているかを示すようだ。あたりは靄に包まれており、その繊細なグラデーションは、中国宋末元初の画僧、牧谿の水墨から我が国の長谷川等伯の《松林図屏風》へと受け継がれた、湿潤な東アジアの空気を思い起こさせる。
 この作家の試みは、銅版画という、制作にまつわる思考のプロセスも素材も硬質な西欧起源の手法を、異なる風土においていかに手なずけるかという点にある。
 はじめ油彩を学ぶため京都市立芸術大学に進んだが、職人的な工程に魅力を感じて銅版画を手掛けるようになった。線よりも陰影の諧調表現を志向してメゾチントに出会う。しかしより軽い、空気を表現できる手法を求め、試行錯誤の末に独自のアクアチントにたどりついたのである。ベルソーなど刃物によって版を目立て漆黒の調子をつくりだすメゾチントではなく、松脂という柔らかい素材と腐食によるアクアチントでなければ、この作家特有の、湿度の高い空気に光が滲み出すような調子は得ることができないだろう。
 さらに作家が重視するのは、作品が鑑賞者にもたらす特別な場の体験であり、画面の規模がそこで大きな意味を持つ。シリーズによって、手に取って観るような小ぶりの画面と、1mを超える銅版画にしては大きめの画面が併存するが、この大きさや縦横比は、鑑賞者と対象との距離感を想定して決定されている。これが光と影の象徴的な表現とあいまって、風景に没入するような臨場感が生み出されるのである。
 最新作では闇に燃える炎を描く。それを観ていると、森や蓮に接するときと同じように、一人きりでそれらと対峙しているような感覚にとらわれる。そのどれもが、描かれた光景と鑑賞者との特別な関係を生み出すような作品なのである。
(美術評論家)

のじま・あらた
1982年滋賀県生まれ。2006年Royal College of Art(ロンドン)交換留学。08年京都市立芸術大学大学院美術研究科版画専攻修了。13年東京藝術大学大学院美術研究科版画専攻修了。08年第8回山本鼎版画大賞展優秀賞(11、15年も)、10年第78回版画展版画協会賞(12年同80回記念賞、14年準会員佳作賞)など。個展、グループ展多数。現在、京都版画展実行委員会会員、日本版画協会会員、京都精華大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科特任講師。


「『HANGA』 NEXT GENERATION 明日の星たち」展が、12月12日(水)〜18日(火)に島屋日本橋店6階美術画廊にて開催されます。掲載作はじめ連載登場作家たちの作品の数々を実見できます。こうご期待!

この作品は美術誌「月刊美術」との連動企画です。作品の応募は2018年9月10日(月)を締め切りとしてご応募を受け付け、応募多数の場合は抽選いたします。
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