石橋佑一郎《some 1st day》

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石橋佑一郎《some 1st day》

商品名: 石橋佑一郎《some 1st day》
商品番号: 18071002
販売価格:

\33,000

消費税: \3,000 内税
規格: 2015年 30×20cm 木版、シルクスクリーン ed.10 額付

商品詳細
「HANGA」 NEXT GENERATION
第4回 石橋佑一郎

軽やかでユーモラスで正体不明
どこかわからない、「どこにでもある場所」 ── 野口玲一


 晴天を思わせるクリアな色彩、地平線に沿ってなだらかな地形が広がる。そこに用途の知れない、キャラクターのような構築物が点々と配されている。中空には光の軌跡が浮かび、それが画面にリズミカルな動きを与える。ここは一体どこなのだろう。人影はどこにも見えず、特定の地域を指し示すような指標は、漂白されてしまったかのようにどこにも見出すことができない。

 石橋佑一郎の作品はいつもこんな風だ。明るくユーモラスな表情を湛え、機嫌良さげに見える。しかしその奥に踏み込もうとすると、まるで逃げ水のようにスルリと身をかわし、正体をつかませない。

 のどかそうに見えて、画面は巧妙に作り込まれている。全体の景色は幾分高いところから俯瞰したように見える。地形は平面化されてレイヤーのように層状に配され、一方で建物は二点透視図法で描かれている。遠近法の統一的な視点をはぐらかすように構成されているのだ。版は木とシルクスクリーンが併用されている。両者を重ねて用いることで、木目と平滑な色面の複雑なテクスチャーが形成される。これらの手順は作品の表情を引き立てているものの、深刻さを装って見せることはない。

 こうした制作の態度は、作家の性格に基づくところもあるようだ。思い入れやメッセージを声高に語ることで、作品の意味を限定したくないのだという。作家の主観から距離を置いた、突き放した制作の態度は、この世代以降の作家にしばしば見られることで興味深い。生活感や現実感を脱色した記号によって画面を構成するのは、そのような取り留めのない風景の方が観る者に自由を与え、普遍性を持つと考えるからである。一見してどこだかわからないのは、「どこでもある」、あらゆる場所でありうるのだ。鼻歌を歌いながらどこまでも行けるような軽やかさはこの作家の身上である。しかしその世界観は作家の意志によって構築されたものなのだ。 (美術評論家)

いしばし・ゆういちろう
1986年福岡県生まれ。2012年多摩美術大学美術研究科博士前期課程絵画専攻版画研究領域修了。主な受賞に15年第9回飛騨高山現代木版ビエンナーレ優秀賞、17年第23回鹿沼市立川上澄生美術館木版画大賞展準大賞、18年第7回山本鼎版画大賞展優秀賞など。個展、グループ展多数。現在、日本版画協会会員、武蔵野美術大学非常勤講師、九州産業大学非常勤講師。


「『HANGA』 NEXT GENERATION 明日の星たち」展が、12月12日(水)〜18日(火)に島屋日本橋店6階美術画廊にて開催されます。掲載作はじめ連載登場作家たちの作品の数々を実見できます。こうご期待!

この作品は美術誌「月刊美術」との連動企画です。作品の応募は2018年7月10日(火)を締め切りとしてご応募を受け付け、応募多数の場合は抽選いたします。
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