山田彩加《遺伝子の行方 I─Fate of gene I》

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山田彩加《遺伝子の行方 I─Fate of gene I》



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商品名: 山田彩加《遺伝子の行方 I─Fate of gene I》
商品番号: 18050001
販売価格:

\112,200

消費税: \10,200 内税
規格: 2018年 90×70cm リトグラフ ed.30 額付

商品詳細
「HANGA」 NEXT GENERATION
第3回 山田彩加

リトグラフによる強く深い「黒」
その稠密が生む「生命の繋がり」 ── 野口玲一


描き込まれた細部の集積に眼を遊ばせていると、綾なす襞の奥へとさらに誘い込まれるようだ。そこにある空間には神秘的で荘厳な空気が漂う。作家がこの版を、ダーマトグラフ(油性色鉛筆)一本で描き上げていると知ったら、驚きはさらに深まるだろう。
 漂白の画家ロドルフ・ブレスダン(1822〜85)に《善きサマリア人》という作品がある。聖書の逸話を、主題がかすむほど稠密で幻想的な光景の内に描き出した版画だ。魑魅魍魎ひしめく闇の空間に接し、それがリトグラフであるのを知って意外の感にとらわれたことがある。このような細密描写は銅版によるものと長らく思い込んでいたからだ。そこで想起したのが山田彩加の作品だった。作家自身もこの作品から、リトグラフでも緻密な表現が可能であると知ったという。作家はまた自らのヴィジョンを描くのに用いていた鉛筆よりも、リトグラフによって刷られた黒の強さと深みに魅力を感じたとも語っている。
 しかし作品を独自なものたらしめているのは、技法よりもその世界観である。それは作家が美術解剖学の講義において、血管の網状組織と、植物の絡みあう根の構造との類似に、生物の「生命の繋がり」を実感したときに始まっている。形態が相似するのは、それらが生命の営みの本質において重なりあうからだという直観である。そこから重層化された植物的な細部のなかに、人間や動物が埋もれ、溶け込んでいくような、この作家に特有のヴィジョンが生み出された。
 作品を観るとき、まず緻密な技法や描写力に眼を奪われるかもしれない。しかし忘れてならないのは、このヴィジョンの裡に、形の本質を突き詰めることによって、形而上的な真実へと近付くことができるという信念が介在することだろう。それが作家をこのような制作に駆り立てるとともに、作品の独自性を支えているのである。
(美術評論家)

やまだ・あやか
1985年愛媛県生まれ。2014年東京藝術大学大学院博士課程美術研究科美術専攻修了。主な受賞に10年第78回版画展山口源新人賞、15年南島原市セミナリヨ現代版画展準大賞、東京国際ミニプリントトリエンナーレ大賞など。個展に15年「山田彩加―命の繋がり」(今治市玉川近代美術館)など。現在、日本版画協会会員。


「『HANGA』 NEXT GENERATION 明日の星たち」展が、12月12日(水)〜18日(火)に島屋日本橋店6階美術画廊にて開催されます。掲載作はじめ連載登場作家たちの作品の数々を実見できます。こうご期待!

この作品は美術誌「月刊美術」との連動企画です。作品の応募は2018年5月10日(木)を締め切りとしてご応募を受け付け、応募多数の場合は抽選いたします。
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